洛西高架下大学第9回実施レポート
「あなたのやってみたいを、共有して育てていく場所へ」
11月24日、今年度第2回目となる「洛⻄⾼架下⼤学(主催:トート阪急洛⻄⼝)」は、前回のダイアログを経て生まれてきた問い「いかしあえる関係をつくるサークル/部活動を紐解く」をテーマに開催されました。
ゲストには、人と人、人と場のつながりを紡ぐ株式会社ツナグムのタナカユウヤさんにお越しいただき、引き続き京都信⽤⾦庫さん、らくさいライフスタイルさんとともに可能性を探る「ヨモヤマダイアログ(対話)」を実施︕
たくさんの参加者の皆さんとも一緒になって話し尽くした2時間でしたが、いくつものワクワクするアイディアが生まれ、これからの楽しみになる時間となりました︕
当日のファシリテーター、まちとしごと総合研究所代表の東信史さんにレポートしていただきました。
洛西高架下大学とは
2019年2月より地域交流の促進を目的に、人が行き交う阪急洛西口駅の高架下をキャンパスに見立て、誰もが自由に参加できるセミナー&交流型イベントとして実施しています。多分野で地域に根付いた活動をしている方々を講師としてお呼びし、ノウハウを学べる講義や、参加者同士の交流がなされました。また、2020年6月からは、新たにスピンオフ企画として生まれた洛西高架下大学研究室コースが始まり、地域団体さんがマルシェやワークショップを実践した事例も生まれ始めています!
<毎回1つのテーマについて、みんなで語りあうヨモヤマダイアログ>
今年の洛⻄⾼架下⼤学では、トート阪急洛⻄⼝を運営する加藤さんを中心に、地域のNPOや⾦融機関、そしてまちづくり活動に取り組むゲストをお迎えし、1つのテーマについて語り合うダイアログ形式で開催しています。(次回は2021年1月開催予定!)
今回のヨモヤマダイアログメンバーのご紹介
- ●トート阪急洛西口 加藤さん(エキ・リテール・サービス阪急阪神)
- ●株式会社ツナグム タナカユウヤさん
- ●らくさいライフスタイル 張本さん
- ●京都信用金庫東桂支店 阪田さん、向段さん
誰かの困りごとと、誰かの楽しいが繋がる?
サークル活動を始めるにあたって、どんなアイディアがあるのかを事前に申し込み時に伺い、それを⾒ながらワクワクしたと話す加藤さん。アイディアを出された張本さんからは、こんな一言がありました。
「地域の事業者の方々の困りごとをよく聞くんですが、それを⾃分たちだけで解決するのではなくていいのでは︖と最近思うようになっていて。そこに、楽しみながらサークルや部活動をする人たちが繋がることで解決に結びつけることもできそうな気がしています」
今回、農業やマルシェといった取り組みに携わられて、生産者だけが頑張るのではなく楽しみながら関わる人たちを増やしていく視点に気づかれたそう。参加する人たち⾃身は⾃分のやりたいことを楽しみつつ、困っている人たちとの接点をコーディネーターが作ることで、全体として良くなる方向が⾒える。こういった「誰かの問題」をお題に変換し、取り組みの種にするのはとてもユニークな考え方だと感じました。
1⼈目を⾒つけ、まずは発信をしてみること
タナカさんからは「好きなことを誰かに共有すること」が最初の一歩だとアドバイスをもらいました。まずは、⾃分の好きなことを話していくことで「1人目の共感者」を⾒つけること。そうすれば2人になって始められます。そして、そのアクションを今であればTwitterなどのSNSを通じて発信すれば、うまく誰かが集まるかもしれません。でも、集まらなかったとしても⾃分たちが楽しめることであれば気にしなければいいと。そのくらい気楽にやってみることの⼤切さを教えてもらいました。
また、ご⾃身の経験談として「勝手に毎月第3水曜日鴨川の日を制定して、鴨川に集う日をつくっていたら沢山の人たちが集まってきて、4年間も続いた。そしたら新聞に載ったり、それをテーマにまちづくりの勉強会を開くようにもなった。で、当時は水曜日が休みだったので無理なく始められ続けられる状態だったのがポイントだったように思う」と話され、何かを始めるときに「無理をせずにできる」という前回のダイアログで出た視点が改めて紹介されていました。
その他にも、京都移住計画、上京ちず部、けん玉部、放送部など、現在も多くの部活動的なものに関わられていますが、どれも楽しみながら無理せずに、まずはやってみて続くかどうかを試しているという話を聞き、一歩踏み出してみることの⼤切さを改めて実感しました。
⼈が巻きこまれていくための、関わりしろを残しておく?
実際に活動が始まり発展していく過程には、どんな工夫があるかについて話を伺っていくと、1つの活動について「限定しすぎない」というキーワードが現れてきました。例えば、「本」をテーマにしたイベントを企画した際に「読書会」で集ったとします。そうすると、普通は「読書会」として続けていきますが、これを「本の会」とするだけで集まる理由が一気に広がるといいます。本を読むだけでなく、紹介しあったり、つくってみたり、販売してみたり、交換してみたり。この「関わりしろ」を残しておくことで、勝手に参加する人たちが発展させていく仕掛けがあると、拡がりをみせていくのでは?とタナカさんは伝えてくれました。
さて、ここまで話してみて、やってみたいことは?
少しずつ「どんなサークルや部活動であればいいか」が⾒えてきた上で、具体的なアイディアについてダイアログメンバーに聞いてみました。最初に話していた張本さんからは、農業をテーマにまずは好きなものを作って、余剰分が出たら販売してみるくらいのサークルの提案があったり、京都信⽤⾦庫さんでは現在取り組まれている「フードコラボラボ」を広く開くことでより多くの人が関わるようにしてみるアイディアが出たり、タナカさんからは京都信⽤⾦庫さんの繋がりを活かした洛⻄エリアのものづくりの企業を訪問する「社会⾒学部」といった発想が出て、参加者の皆さんからもチャットで「それはいきたい︕」「一緒にやりたいです︕」といった声も生まれてきていました。
今回も、様々なキーワードが⾒つかった前半のダイアログ。そして後半は、参加者のみなさんも一緒になってブレイクアウトルーム(少人数の部屋)を⽤意し、4,5名のメンバーで感想を共有するとともに⾃分だったらどんなアイディアがあるのかについてダイアログを実施しました︕
参加者からのヨモヤマダイアログでの声
それぞれのグループに分かれ、グループごとにやってみたい︕というアイディアが生まれ、提案のあった部活動やサークルのアイディアを一部ご紹介します︕
<洛西高架下大学サークル/部活案>
- ・TauT本部(ほんぶ)
- ・TauTフィルムカメラ写真部
- ・TauT部活紹介無料案内所(掲示板)
- ・TauT吹奏楽部
- ・TauTまなび部
- ・TauTハー部
- ・TauT紙部(しぶ)
- ・TauT感謝部
- ・TauTフラッとバドミントン
- ・TauT裏ネタ掲示板
- ・洛西昔の語り部サークル
短い時間の中でも、改めて⾃分がやってみたかったことを提案いただく方や、他の方々との対話の中でやりたくなったものなど、「まずは誰かに話してみる」の実践ができたダイアログ。実は、こういったことを「話せる場」こそが、まちの賑わいを生み出すためには必要なのかもしれないなと感じた、ワクワクがおさまらない第2回目の洛⻄⾼架下⼤学でした!
1つ1つが実験だからこそ、みんなで共有しながら進めていく
徐々に「⾃分たちのまちを⾯⽩くするためのヒント」が集まってきている洛⻄⾼架下⼤学。でも、答えが⾒つかったわけではないので全員で「実験(実践)」をしていく必要があります。「⼤学」の名の下だからこそ、そこに集う参加者である学生同士がお互いのことを共有しつつ進めていく、そんな場ができていくといいなと感じた今回。まずは実験に踏み出す人もでてきそうなので、次回はさらに⾯⽩いヨモヤマダイアログになりそうで楽しみです!
【オンラインコミュニティのご案内】
- ・洛⻄エリアの活動で新たな仲間を⾒つけたい方
- ・洛⻄エリアの未来がよくなる新たなアクションをお考えの方
- ・異業種や他者とともに共通のビジョンを描いて社会や地域の課題解決に向け取り組みたい方
- ・コミュニティデザインや地域活性化に関心ある方 など、、、
トート阪急洛⻄⼝で一緒に活躍するプレイヤー⼤募集です︕︕
洛⻄⾼架下⼤学 slack
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洛西高架下大学/ヨモヤマ会議室(Facebook)
https://www.facebook.com/groups/329652998327452
事務局:有限責任事業組合まちとしごと総合研究所(担当:東)
TEL:075-257-7871 FAX:075-257-7846 MAIL:office@machigoto.net